山口一郎 (歌手)
山口 一郎(やまぐち いちろう、1980年9月8日 - )は、日本のミュージシャン。ロックバンド・サカナクションのボーカリスト兼ギタリスト。
山口 一郎 | |
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基本情報 | |
出生名 | 山口 一郎 |
生誕 | 1980年9月8日(41歳) |
出身地 |
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学歴 | 札幌第一高等学校卒業 |
ジャンル |
ロック テクノ |
職業 | ミュージシャン |
担当楽器 |
ボーカル ギター |
活動期間 | 1998年 - |
レーベル |
BabeStar Label (2007年 - 2008年) ビクターエンタテインメント (2009年 - 2015年 ) NF Records (2015年 - ) |
事務所 | ヒップランドミュージック |
共同作業者 | サカナクション |
概要編集
サカナクションのフロントマンであり、ほぼ全ての楽曲の制作を行っている。稀に、本名の「一郎」の他「一路」の表記も使用する。本人曰く、音楽を始めたきっかけは、文学との出会いだったといい[1]、楽曲制作においては歌詞を重要視している。
両親は小樽市富岡で「メリーゴーランド」という名前の喫茶店を営んでいた[2]。父は岐阜県飛騨の下呂市出身で、立命館大学法学部在学中は学生運動に熱中、中退後に渡仏を経てスウェーデンで看板画家をした後に小樽に移住し、木彫作家として活動。小樽運河保存活動に携わったことをきっかけに、2003年に小樽市議会議員に当選、3期12年にわたって務めたのち、現在は木彫工房を営んでいる。
山口自身は実家の喫茶店で流れている音楽を聴き、友部正人らフォーク歌手のライブを見るうちに影響を受け、家にあるフォークギターを弾き始めた。最初にコピーした楽曲はイルカの「なごり雪」だったという。自身の音楽の始まりはフォークソングと語っており、その過程でクラフトワークやYMO、ビートルズやサイモン&ガーファンクルに出会ったと発言している[3]。また、影響を受けたアーティストにレイ・ハラカミ[4]も挙げている。デビュー前、レコード店(HMV)でアルバイトをしていた際にレイ・ハラカミの楽曲を耳にし、それをきっかけに電子音楽に傾倒しようと決めたと語っている[5]。なお、初めて買ったCDはB'zの「太陽のKomachi Angel」である。[要出典]
2010年に右耳に突発性難聴を発症。発症からしばらくは右耳がほとんど聴こえない状態だったが、2015年に『情熱大陸』(毎日放送)に出演した際には、低い音であれば聴こえるようになったと語っている[6]。
2020年には持病として群発性頭痛を患っていることを公表。自身のInstagramにて、「群発性頭痛を発症してから、もう何年も経ちます」と投稿した。山口の場合は発作が集中して起こる期間(群発期)が数ヶ月続くという。症状については「信じられないくらいの痛みが頭の片側、目の裏辺りを襲う」と語っている[7][8]。
来歴編集
- メジャーデビュー以前
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- 実家の喫茶店でライブを行っていたフォーク歌手のライブに影響を受け、実家にあったフォークギターを弾きはじめる。
- 17歳の頃、レコード会社・ビクターエンタテインメントの育成枠に組み込まれる。
- 1998年、札幌第一高等学校の同級生である岩寺らとダッチマンを結成。ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。2005年に解散したが、ダッチマンとして制作された楽曲は一部、サカナクションの楽曲として再録している。
- 当時、山口がDJをし、岩寺がギターでアドリブを合わせるというプレイスタイルであった。
- 2007年
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- 山口が岩寺らと組んでいたバンドがメジャーデビューするに当たり、当時サポートメンバーだった草刈愛美、岡崎絵美、江島啓一を正式メンバーとし、サカナクションが結成される。アルバム『GO TO THE FUTURE』で、当時ビクターエンタテインメントの傘下レーベルであったBabeStar Labelからメジャーデビュー。
- 2009年
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- ビクターエンタテインメントへ移籍。
- 2010年
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- 楽曲「Magic Time」をSMAPへ提供。
- Base Ball Bearの楽曲「kimino-me」にゲストボーカルとして参加。
- 「kikUUiki」ツアーのリハーサル中に右耳の突発性難聴を発症。自身でも異常に気付いたが、ツアーを優先して病院へ行くのが遅れてしまったため完治していない。
- 2011年
- 2012年
-
- ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」のコーナーである「ARTIST LOCKS!」として、「サカナLOCKS!」のレギュラー放送が開始。
- 楽曲「Moment」をSMAPに提供。
- 2013年
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- 大晦日、サカナクションとして第64回NHK紅白歌合戦に初出場し、「ミュージック」を演奏。
- 2014年
- 2015年
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- 「ホーリーダンス」で自身初のミュージック・ビデオの監督を務める[10]。
- 8月23日、NHK-FM「サカナクション・山口一郎 Night Fishing Radio」にてパーソナリティーを担当。「30年後―音楽の未来へ」をテーマに、ゲストを迎えてトークした[11]。
- 以前から交友のある電気グルーヴのドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~』で映画初出演を果たす[12]。
- 8月24日、スペースシャワーTVにて山口が選曲したミュージックビデオを放送するという内容の番組、「MUSICIAN'S SELECT〜selected by 山口一郎(サカナクション)〜」が放送される[13]。
- 9月30日、ライブやイベントなどで以前から交流のあったアパレルブランド・ANREALAGEの2016年春夏パリコレクションにサウンドディレクションとして参加[14]。
- 2016年
- 2020年
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- ソフトバンクのCM「5Gってドラえもん?」シリーズのCMでナレーションを務める。
- 2021年
- 2022年
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- 7月1日、体調不良のため一定期間休養することを発表[9]。
人物編集
身長は168cmで、体型は非常に細身。好物はグミであり[16]、「サケノサカナ」第6回放送時に「コーラ餅グミ」を紹介したところ、販売元の株式会社明治から「コーラ餅グミ」やその姉妹品がボックスで贈られた[17]。
喫煙者である。禁煙していた時期もあるが[18]、現在は加熱式たばこの「IQOS」を吸っている。
洋服は、Maison Margielaやコム・デ・ギャルソンを好んで着る。
釣りがとても好き[2]で、オリンピックの種目に釣りがあったらミュージシャンになっていなかった、というほど。特に夜釣りを好み、自身の作品やレーベルに「ナイトフィッシング」の名前を冠している。
小学・中学時代は野球部に所属していた[19][20]。岐阜県出身の父親の影響で、物心ついたころから中日ドラゴンズファンである。自身の誕生日である2011年9月8日に開催された中日対巨人戦(ナゴヤドーム)では始球式を行った[21]。また2022年にナゴヤ球場[注 1]の外野フェンスの広告枠を自費で購入し、『サカナクション』と書かれた広告を掲出した[22]。
「サケノサカナ」で共演して以来、星野源と親交が深い。2013年3月8日放送の『RADIPEDIA 星野源復活生放送SP』では飛び入りで出演した。また、MUSICA初代編集長である、鹿野淳とも親交が深く、MUSICAでは二人でのコーナーが掲載されるほどである。
建築インテリアデザイナーの片山正通に対し、「僕の人生を変えてくれた1人」と話すほどであり、共にフランスへ旅行へ行くほどの関係である。片山の50歳の誕生日会では、個人の催し物では珍しくサカナクションとしてのライブを行った。同郷である大泉洋とも旧知の仲ではあるが、度々「因縁の仲」として取り上げられている[23]。以前はBase Ball Bearの小出祐介と親交が深く、Base Ball Bear「kimino-me」に山口がゲストボーカルとして招かれたり、ラジオ番組で対談を行ったりしたこともある[24]。
実家で「とら坊」という名前の猫を飼っていたが、2019年11月に逝去した[25]。しかし現在、母がノラ猫を拾い、「ココ」と名付けて飼っている。
出演編集
ラジオ編集
現在のレギュラー出演番組編集
- 『SCHOOL OF LOCK! FRIDAY』内「サカナLOCKS!」(2012年4月2日 - 、JFN系列:毎週金曜 22:30 - 22:53[注 2])
- サカナクション・山口一郎 "Night Fishing Radio"(2015年8月23日[11]より不定期放送、2017年4月9日より隔週日曜18:00-18:50、NHK-FM)
- 加藤さんと山口くん(2020年7月19日、2020年10月4日 - 、STVラジオ) - 同じ小樽市出身のお笑い芸人極楽とんぼの加藤浩次と共演するラジオ。
過去の出演番組編集
映画編集
- DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜(2015年、監督:大根仁[12])
- 劇場版 がんばれ! TEAM NACS(2021年、監督:堀切園健太郎)
テレビ編集
- NFパンチ(2015年12月 - 2019年3月、スペースシャワーTV) - 毎月第2・第4金曜23:00 - 23:30[13]
- 「MUSICIAN'S SELECT〜selected by 山口一郎(サカナクション)〜」(2015年8月26日0時(25日深夜)、スペースシャワーTV)[13]
- FUJI-YAMA MID-NIGHT-FISHING(2018年7月7日 - 、BSフジ) - 藤原ヒロシとのトーク番組[27]。『<MUSIC:S>』枠内にて不定期レギュラー放送
- シュガー&シュガー” サカナクションの音楽実験番組(2019年9月18日 - 、NHK Eテレ)
- NHKスペシャル「ダビンチ・ミステリー」 - ナビゲーター
- 第1集 幻の名画を探せ〜最新科学で真実に迫る〜(2019年11月10日、NHK総合)
- 第2集 “万能の天才”の謎〜最新AIが明かす実像〜(2019年11月17日、NHK総合)
- 日曜美術館「わたしとイサム・ノグチ サカナクション 山口一郎」(2021年7月18日、NHK Eテレ)[28]
- がんばれ!TEAM NACS final episode(2021年8月15日、WOWOW) - 本人 役[29]
CM編集
- サッポロビール生ビール黒ラベル「大人エレベーター」(2016年)
- au × HAKUTO MOON CHALLENGE 「僕らはみんな宇宙兄弟だ。」(2016年)
- Honda「INSIGHT」(2018年) - ナレーション
- 大塚製薬カロリーメイト「考えつづける人」(2019年) - ナレーション
- ソフトバンク「速度制限マン」(2019年)
- トヨタ「ヤリスクロス」(2020年)
- 参天製薬「サンテFX」(2021年)[30]
- ジンズ「JINS MEME」(2021年)[31]
その他編集
Ustream番組
- コニカミノルタプラネタリウム"満天"in Sunshine City「サカナクション グッドナイト・プラネタリウム」(2015年12月1日 - 2016年9月4日、) - ナレーター[32]
イベント
作品編集
サカナクションの作品についてはサカナクション#作品を参照のこと。
PV編集
- サカナクション「ホーリーダンス(監督)
参加作品編集
リリース日 | 曲名 | 収録作品 | |
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2010年7月21日 | Magic Time | SMAP『We are SMAP!』 | 作詞・作曲 |
2010年6月23日[33] | kimino-me | Base Ball Bear『CYPRESS GIRLS』 | ゲストボーカル |
2011年6月15日 | こどなの階段 | 南波志帆「こどなの階段」 | 作曲 |
2012年8月1日 | Moment | SMAP「Moment」 | 作詞・作曲 |
2022年4月7日 | 下呂市立金山小学校校歌 | (収録予定なし) | 作曲 |
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ 『THE SONGWRITERS 佐野元春×山口一郎』
- ^ a b サカナクション:ボーカルの山口一郎に聞く「大きなお山のマイノリティーでいたい」、まんたんウェブ、2012年9月1日。
- ^ PLAZAインタビュー ロック・バンド サカナクション「山口一郎さん」、PLAZA INTERVIEW
- ^ 『MUSICA』FACT、2010年1月号、90頁。
- ^ 日本テレビ系番組ZIP! 2013年3月19日放送より[出典無効]
- ^ “サカナ山口 難聴で「右耳聞こえない」”. デイリースポーツ (2015年11月2日). 2015年11月1日閲覧。
- ^ ichiroyamaguchiの投稿(2020年10月26日) - Instagram
- ^ “サカナクション山口一郎「何年も」群発性頭痛に悩み”. 日刊スポーツ (2020年10月27日). 2020年10月28日閲覧。
- ^ a b “サカナクション山口一郎が休養 極度の倦怠感続き医師から「休養が必要」と診断 8公演延期に”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年7月1日) 2022年7月1日閲覧。
- ^ “サカナクション、釣りをテーマにした山口一郎初監督「ホーリーダンス」MV公開”. BARKS (2015年7月24日). 2015年8月9日閲覧。
- ^ a b “サカナクション・山口一郎、「30年後―音楽の未来へ」ラジオ特番オンエア”. RO69 (2015年8月24日). 2015年8月24日閲覧。
- ^ a b “電気グルーヴ、映画の予告編公開。砂原良徳、山口一郎らの証言も”. RO69 (2015年8月14日). 2015年8月24日閲覧。
- ^ a b c “サカナクション山口がMV流しまくるスペシャ番組”. ナタリー (2015年8月24日). 2015年8月24日閲覧。
- ^ a b “【レポート】「アンリアレイジ」2016年春夏パリ パリコレ3回目は全員参加型 スマホで撮ると全く違う服が映るコレクション”. INFASパブリケーションズ (2015年11月2日). 2015年11月2日閲覧。
- ^ “井手上漠、神秘的な眼差しの表紙解禁 帯文はサカナクション山口一郎<normal?>”. モデルプレス (2021年4月15日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ 『サケノサカナ』第6回放送より
- ^ 山口一郎のツイート - Twitter(2012年8月8日)
- ^ 2014年7月27日サカナクション Blu-ray&DVD「SAKANATRIBE 2014」リリース記念Ustream配信より
- ^ “「幼い頃から大の中日ファン!」サカナクションの山口一郎が語った“ドラゴンズ愛””. LIVE PRESS (2016年9月6日). 2020年5月17日閲覧。
- ^ スペースシャワーTV; サカナクションのNFパンチ (2018年6月25日). “古舘一郎 〜バッティングセンター編〜 / 山口一郎(サカナクション)古舘佑太郎(2)”. YouTube 2020年5月17日閲覧。
- ^ “中日ドラゴンズ 公式サイト - ドラゴンズニュース ★サカナクション、ボーカルの山口一郎さんが始球式”. dragons.jp. 2020年11月14日閲覧。
- ^ “『サカナクション』広告、ナゴヤ球場に登場 熱烈な中日ファンのボーカル山口一郎さんが自費で枠購入 「いつも選手が頑張っている姿を見ています」”. 中日スポーツ (2022年3月2日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “サカナクション山口一郎、大泉洋と“因縁”の対談 恩人ユーミンの金言も明かす”. ORICON NEWS. 2019年9月14日閲覧。
- ^ "『音楽対談 – 前編』GUEST:小出祐介(Base Ball Bear)". サカナLOCKS!. 12 June 2014. TOKYO FM. 2020年5月13日閲覧。 不明な引数
|seriesno=
が空白で指定されています。 (説明) - ^ “山口一郎による投稿”. Instagram (2019年11月28日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ サカナクション 山口一郎、ラジオ『TOKYO NIGHT FISHING』を3ヶ月連続OA
- ^ “藤原ヒロシ×サカナクション山口のトーク番組が放送決定、収録を一部生配信”. 音楽ナタリー (2018年6月20日). 2021年5月13日閲覧。
- ^ “わたしとイサム・ノグチ サカナクション 山口一郎”. NHK (2021年7月18日). 2021年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月22日閲覧。
- ^ “サカナクション sakanactionの投稿” (日本語). Twitter. 2021年8月16日閲覧。
- ^ “サカナクション・山口一郎が「キタ。」 サンテFXの新テレビCMが公開 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議” (日本語). AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム. 2021年6月8日閲覧。
- ^ 自分自身をマネジメントする新時代に、ココロとカラダのセルフケアメガネ「JINS MEME」TVCM 10/6(水)よりオンエア
- ^ “東京都・池袋でサカナクションコラボのプラネタリウム! 名曲がサラウンド化”. マイナビニュース (2015年10月9日). 2015年11月2日閲覧。
- ^ “Base Ball Bear×サカナ山口コラボ曲、早くも配信決定”. ナタリー (2010年6月21日). 2016年1月21日閲覧。
外部リンク編集
- 山口 一郎 (@sakanaichiro) - Twitter
- Ichiro Yamaguchi (@ichiroyamaguchi) - Instagram
- バンド論。サカナの泳ぐ植物園。(2021年)
- 山口一郎 - NHK人物録